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1月のながの門前まちあるき

 

「まちなか耐震事情」と題して、長野市まちづくり課職員の尾町光穂さんが案内人となった今回のまちあるき。

尾町さんは、民間の建設会社で働いたのち転職。昨年まで長野市建築指導課で建物の耐農支援を行っていました。現在はまちづくりについて鋭意勉強中。

今回は特に建築指導課に所属していた頃の知見を活かし、空き家や古民家の耐震性に着目してまちあるきをするとのことです。古い街並みが魅力の善光寺門前町ですが、活用する人や大家さんの多くは耐震などに不安を持っている方も多いため、とても気になる内容です。

 

まずは尾町さんから建物の耐震性についての基礎知識の話から。

建物は大きく、木造、鉄骨造、RC(鉄筋コンクリート)造に分けられ、RC>鉄骨>木造の順で地震に強いと一般的には言われています。

建物が建設された年代によっても耐震性が違うそう。大きな転換点が以下の三つの時期。

1950年:建築基準法制定。戦後たくさんの建物を建てる時代。規制しすぎると建てられないため、現代に比べると規制が緩め。

1981年:新耐震基準。1978年宮城県沖地震(震度5)で周囲の建物が全半壊したことを受け、耐震基準の見直しをした。新耐震基準では震度6強〜震度7まで耐えるような耐震性を持つよう基準を設けられた。

2000年:1995年阪神淡路大震災(震度7)。新耐震基準の建物でも2割くらいは全半壊した災害。新耐震基準の中でも、構造の接合部に関する仕様が明文化され、より詳細な基準に変更した。

その他、尾町さんのご実家で行った無料の耐震診断の結果を見せていただきました。

既存の木造住宅に関しては、壁面の量・壁の素材・壁の劣化具合・壁の配置などの項目を見ることによって大まかな耐震性を測ることができるそう。

現在当たり前のようにある建築基準法などの法律も、まだできてから70年ほどしかないと思うと、善光寺門前にも多く残っている、それ以前の建物はどう作られていたのかなども気になってきます。

 

一通りの説明が終わった後、まちあるきに出発です。

最初に訪れたのはR-DEPOTが空き家見学会で見学させていただいている空き家です。

この建物は築80年くらいと見られ、建築基準法以前の建物と推測されます。

門前の建物は東西に長い敷地が多く、建物も東西に伸び、南北の隣地と軒を連ねていたため、建物の東西面は開口(出入り口や窓)になっていることが多く、壁面が少ないことが特徴です。

こういったトンネル型の建物は東西の揺れには強いけれど、南北の揺れには弱く、実際にこの建物も南側に傾きが見られました。

まちあるき最後に訪れたナノグラフィカさんも、同じく東西に長い建物で、北側に傾きがある状態でした。後ほどこういった建物の耐震補強の仕方にも触れていきます。

 

次に訪れたのが、空き家になっていた古民家をリノベーションして古着とセレクトを取り扱うお店にしたOESTEさんです。

現在レディースメインの2店舗目を駅前にオープンした直後で準備中でしたが、建物を見学させいただきました。ありがとうございます!

こちらの建物も築100年近くと推測されています。ただ、傾きもなく、構造はしっかり安定しているように感じられました。無料の耐震診断では壁をメインの測定項目にしていますが、この建物は柱梁の量が多いため、安定しているのではという話になりました。

尾町さん目線では、店舗部分の天井と床が取り払われ、上部は柱と梁の接合部が、下部は土台と柱の接合部が見える状態になっていることがGOODとのこと。

この建物は現在は大丈夫そうですが、数年・数十年後に傾きが現れてきたり、劣化を感じ、耐震補強をする際にはこの接合部を金物を使って補強することになるので、補強工事のしやすさが格段に違うのだそう。

耐震補強も見据えた店舗設計・計画というのも今後は必要になってきそうです。

 

次に訪れたのは西之門町の屋台が収納されている土蔵です。

一階に組み立て前の屋台が収納されており、2階は以前は町の集会所として利用されていたそう。

この建物は1階と2階で構造が少し違う部分があるそうで、2階は増築かも知れません。

また、耐震性に関しても、通常の木造住宅と比べて窓が少なく壁面が多く、柱梁も等間隔に配置されているため、耐震性は信頼できそうです。

善光寺門前には土蔵が残っている敷地が多く、そのほとんどは道に面していないため、活用へと至っていないケースが多いですが、これだけ頑丈で、後世に引き継ぐポテンシャルのある建物なので、上手な活用がされていくといいなと話しました。

 

最後に訪れたのが、ナノグラフィカさんです。

まちあるきのコーディネーターの増澤さんご協力のもと、建物を見学させていただきました。ありがとうございます!

この建物もおそらく築100年弱。先ほど触れたように建物は北側に傾きがあります。

増澤さんが借りる時には傾きがあり、過去の長野の大きな地震の際に傾きが大きくなったため、耐震補強工事を行なったとのこと。

表の道に面した開口部に筋交が入っています。

この建物も最初の空き家の古民家と同様、東西面に開口が多く壁が少ないトンネル型になっているため、南北の揺れに強くするために、筋交を入れる位置を選んでもらったそう。

導入の基礎知識にもあったように、新耐震基準(2000年以降)の中ではこういった金物を用いて柱と梁を接合することで、従来の仕口(柱と梁にお互い溝を入れて組み合わせ接合する手法)よりも強度を増しています。

 

こちらの壁も耐震補強の際に作った壁だそう。両方向の筋交が入っており、南北の揺れを抑えてくれます。

既存の古い木造住宅でも、しっかり耐震補強をしていけば、まだまだ活用できるものはたくさんありそうです。

ただ、話していく中では、従来の仕口などを用いた木造建物は柔らかく接合することで揺れを逃すような作りになっていたのではないか?というような話にもなりました。

今の耐震基準について知れば知るほど、昔の建物の作られ方や地震との付き合い方などにも興味が湧いてきます。

 

 

ナノグラフィカで、温まり談笑しながら解散です。

耐震を考えればRC造で固く、強く、閉鎖的な建物を作ることもできると思います。ただ、日本の木造住宅が歴史的に発展したのは森林木材の豊富さはもちろん、湿度の高い気候に対して開口を広く取れる構造、などの理由もあると言います。

先人の知恵を学びながら、今の基準と照らし合わせて、最善の地震対策を選んでいくことが重要に思えたまちあるきでした。

案内人の尾町さん、見学させていただいたお店の店主さん、空き家の大家さん、参加者の皆さん、ありがとうございました。

 

2月のまちあるき

2月26日(木)15:00~17:00

案内人は3月オープンのゲストハウス hop in.店主の村上さくらさん。

 

タイトルは、『東西鶴賀乾杯マップ』

案内人コメント:ゲストハウス hop in.を始めるきっかけになった東西鶴賀の飲み屋さん。オリジナルの「東西鶴賀乾杯マップ」を片手に、今夜おすすめのお店を独断と偏見で選びます!

hop in.も紹介します!

 

 

コース

ひろびろ

いりこ

あお葉

すいとん

暮六つ

hop in.

 

<開催概要>

日時:2月26日(土)15:00〜17:00

参加費:1000円 (U22無料)

定員:10名

申し込み:電話 026-219-2280  メール info@r-depot.com

 

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