4月のながの門前まちあるき
『ごきげんよう、権堂。』と題して、グラフィックデザイナーの小島有さんが案内人でした。
普段何気なく歩いている権堂アーケードには、数多くのデザインが存在し、それぞれの面白いポイントや注目点などを教えていただきました。グラフィックデザイナーの視点や感覚を味わえる、充実したまち歩きでした。
スタート地点のR-DEPOTから標識や店舗の看板に注目しながら歩いていくと、日焼けした趣のある看板が特徴的な「ホテルニューやま」に到着。
注目ポイントは文字をつぶしたり、「やま」のフォントを大きくしたりすることでその独自性を出しているところです。
また、玄関向かって左にある看板はアルファベット表記になっており、文字のサイズによって「YAMA」の部分を目立たせたいことが分かります。文字同士の距離感、空白の大きさなどあらゆる視点でデザインをみることで、作成者の意図が感じられました。
次の目的地へ向かう途中にも特徴的なデザインがたっぷり。
小島さんのお気に入りの看板の良い点や気になる点、どのように街に溶け込んでいるかを学びました。古本屋「だんち堂」の看板文字の材料やラーメン屋「てんてん」のロゴ、カフェ&ワインバー「MIKENEKOSTAND」の文字のデザインなど、普通に歩いていても気づかないような視点でみることができ、参加者のみなさんからも感嘆の声が上がっていました。
2個目のスポットは、アーケードのほぼ中心に位置する映画館、「長野相生座・ロキシー」。
正面の「相生座」という看板は手作り感を醸し出した文字で、特に「座」はゆがんでいたり、対称でなかったりと味があって面白かったです。
また、館内のトイレの標識も見どころ。カッターで切ったような跡が残っており、パソコンでの印刷が主流になった今、ほとんど目にすることができないデザインだそうです。
次の目的地「カタセ」は洋装店で文字のデザインは60年以上の歴史があるそうです。
カタカナの文字は横細、縦太のオリジナルティあふれるデザインで、それぞれの文字が丸の中に収められているのもポイントの一つ。
カタカナにしたのも、時代の流れで呉服から洋装を取り扱うことが多くなったからだそうです。文字のデザインによってお店の雰囲気や売っているものも表せることを知り、グラフィックデザインの奥深さを感じました。
最後のスポットである「大東食品」さんへ。ポップが特徴的で、従業員さんの手書きで作られているとのことでした。描く人の文字の癖が違うため、印刷では出せない味が色濃く出ていて興味深いです。
まち歩きを終えたあと、アーケードからR-DEPOTに戻り、オリジナル看板のワークショップを行いました。古道具の端材を選び、オリジナルのフォントを作成。コツは、現在の自分と理想の自分をかき出し、それを文字の形やサイズ、空白で表現すること。小島さんのアドバイスをもとにみなさん思い思いの看板が完成し、最後にこだわりポイントを共有しました。
権堂アーケードはグラフィックデザインの宝庫。デザイナーの視点を体感でき、今後看板を見る目が変わりそうな、楽しいまち歩きでした。
5月のお知らせ
5月31日(土)14:00〜から
案内人は木瓜建築の伊藤一生(いとうかずき)さん。
タイトルは、『ミチとミセの間をデザインする』
ミチとミセの間に見かけるちょっとした居場所。
目的地を持たないまち歩きをして事例を集めたあと、ワークで居場所のデザインをします。
コース
西鶴賀の元店舗(道とつながる空き家)
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西鶴賀番外地
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東鶴賀番外地
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東鶴賀ゲストハウス(現在改装中)
<開催概要>
日時:5/31(土)14:00~16:00
参加費:1000円 (U22無料)
定員:10名
申し込み:
電話 026-219-2280
メール info@r-depot.com